10/17
火葬と通夜葬式、取り越し法要を終えて、すっかり暗くなった時間帯の駅から新幹線に乗った。
現実味のないなかで、葬式、取り越し法要で一気にわあっと泣いてしまった。
祖父の知人が叔父にした話と、長男である叔父がした喪主の挨拶を聞いて、父母妹兄がせわしなく動いたり悲しんだりしている横で、どこかびっとしなくてはという感情の抑制が切れた。
新幹線に乗ってもぼうっとしたままで、いつもならすんなりとできる実家のある駅から学生のときから住んでいる街の駅への気持ちの切り替えも上手くいかず、何もかもに取り残されたような思いを抱えたまんまで駅に着いた。
家に着いて諸々のやることを手早く済ませて、着替えて布団に入るとすぐに帰ってきた音がして、時計を見て驚く。
暇だったからと早上がりしてきたようだったけれど、他の理由も伺えた。悪いけど甘えさせてもらって、訛りの抜けきらない言葉のまんまで思いつくままに話をした。
祖父のこと、残された祖母のこと、久しぶりに会った従兄弟のこと、母のこと、父のこと。
ぴーんと張り詰めていた気持ちが緩んで、疲れがどっときた。背中が痛くて、いつもだって冷たい冷え症の身体がいつも以上に冷たかった。
祖父の話をして、励ますつもりで自らの祖父母の話をしてくれたんだけど、泣いている私をなだめるうちに自分の祖父母のことも思い出したみたいで、ふたりで泣いてしまって、背中をさすりあった。
祖父には会ったことがないから、上辺の綺麗事を並べられるよりも、自分の祖父母を思って一緒にそれぞれのじいちゃんばあちゃんのことを偲ぶことの方が私の慰めになった。
瞬間瞬間で感じきれなかった思いがどっときた。仕事もなんだかふわふわしたまんまでバスを逃して、自分の車で出勤する。
家を出る前に慰められてまた泣いてしまった。会社に着いてからもなんだかそわそわして思い出しては涙がこみあげてくる。
びっとしなくてはと思いながらも、いま感じなければならない気持ちを感じ通さなければとも思う。